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セックスロボットで殺人起きてた。スピルバーグ映画『A.I』感想

 ★4.2

※ネタバレあり

 

 

あらすじ

デイビッドは、世界初の「愛情」を持つ子ども型ロボット。ある日ロボットであるがゆえ「母」から捨てられてしまう。人間になりたいと願うデイビッドは、セックスロボットのジョーやクマ型ロボットのテディとともに、旅をする…。

 

感想まとめ

…こ、こんな映画だったのか……。

小学生ぐらいの時に観て何となーく悲しい印象が残ってたけど、大人になって見返すと色々考えさせられるわ…。これから来るAI時代に向けて、「今」見ると尚更。

 

ママは意外と悪くなかった。それより父親がおかしい件(笑)

デイビッドを捨てたシーンが幼心に衝撃的すぎて、母親は自分勝手に子(デイビッド)を捨てた悪いやつのイメージがあったけど、彼女はデイビッドに愛を抱いてなかったわけじゃなかった。というかちゃんとロボットでもデイビッドを愛してた。だって新型ロボットを逃せば、当然夫共々責任を問われることになるだろけど、きっとそれを分かりながらあの行動に出たんだろうから。

それより父親(笑)。妻に相談もなく新型ロボット(デイビッド)を家に呼んできておいて、デイビッドがちょっとおかしな行動し出すと途端に邪魔者扱いってどうなの(笑)

まぁ母親と違って、デイビッドの愛は父親向けにはインプットされてないから父性が出てこないってのもあるんでしょう。デイビッドを家に呼んだのも愛する妻のため…だしね。実の子・夫・デイビッドの愛情矢印は母親一極集中。愛されてるなぁ。母親最強だな。

 

SF × 童話 どこか夢の中のような世界

ピノッキオの冒険』がモチーフに出てくることもあってか、「ロボット解体ショー」「セックスロボット」が出てくるギラついたSF世界観に反して、全体の雰囲気としてはどこかメルヘンチック。あくまでデイビッド(子ども)目線の物語だしね。何となく絵本とか児童文学に近い気がする(この映画で私的に好きなポイント)。

だって、新型ロボットだったら試験運用は徹底的に為されるだろうに、なぜか一社員の家で普通に生活し始めて、本当の子ども(人間)を危険な目に遭わせちゃったりするというゆるふわさ。そもそもこの「ロボティクス社」っていうのも何か適当な社名だし。

 

ピノッキオの冒険 (岩波少年文庫)

ピノッキオの冒険 (岩波少年文庫)

 

 

イカす旅の仲間たち

・おっさん声のクマ型ロボット、テディ最高。声めっちゃ渋いな。あれ発売した会社はあれが子どもにうけると思ったの?てか大人向け?家で一人で呑むときとかにあのクマが相手してくれたらいいよね(笑) 子ども向けに売れたんだったら、未来の子どもの感覚すごいな。ちなみに『魔法陣グルグル』に出てきた渋い声の人形思い出した。

 

 

・セックスロボット、ジョージュード・ロウ)。自分の任務に忠実(※セックスの事しか考えてない)。単細胞。ナンパ師とかにこういう人普通にいそう。ジョーについては下記にて。

 

凄いテクを持ったセックスロボットは男女の「愛」を変える?

「星のかなたまでイカせてあげちゃうよ」とか言うジョーど、どんなモノをお持ちなんですか…想像がふくらみます。

あえて女性向け男性型ロボットを出てこさせたのは、女性も需要として取り込むほど、ロボットが快感を与えてくれるって事なんだろうね。セックスロボットの経験がなく、「あなたのパンツの下にあるものが怖いの」とか言いながら、内心ワクワクしてジョーに身を任せる女性客(笑)しかもジョーはムード作りまで上手いっていうね。

ジョーに嫉妬して女性客を殺す恋人(小太りのおっさん)まで出てくるけど、許してあげようよ…そんな見た目だけど心はピュアだったのね。見た目的にはこっちの方がよっぽどセックスロボット使ってそうなのに。

「お前が俺の心を先に殺したんだからな」的な事を言って、直近でセックスした日時までジョーに確認してたけど、彼女がセックスロボットに夢中になってセックスレスになっちゃってたのかな。

性愛(快楽)はロボットに委託して、未来の男女の交際は精神的なつながり重視っていうのはあり得るか?…一部そういう人が出てきてもおかしくないけど、ロボット相手と人間相手のセックスは別物な気が。

真の快楽が人と人との精神的交感の中から生まれるものだとすると、心を持たないロボットとのセックスは、きっと表面的なものでしかないんだよなぁ。相手が気持ちよくなっているのを見て自分も気持ちよくなるっていうのが無いんだもんね。

とすると、ロボット相手に嫉妬すんなよ…と思っていたけど、そっちに快楽を求めて自分を求めてくれない恋人に絶望した男にちょっと同情(殺さなくていいけど)。

 

技術的には、人間同士が触れ合った時の感触を完璧に再現するは難しいように感じるけど、どうなんだろ。多分セックスロボットを解体したら、人体模型のように骨とか筋肉、脂肪に代わるものが人間と同様に配置されてそう。そういう風に造らないと感触が同じにならないのでは。

あと肌の質感。何の素材か検討もつかないけど、AIが自然に人を口説く能力を持っちゃってる未来世界では何でも実現可能な気がしちゃう。

自然なリアクション、表情も大事だよね(笑)  人間っていちばんに人の顔とか認識するようプログラミングされてるらしいから、そこに関する違和感って「気持ち悪い」って形で凄く敏感に感じ取るだろうし。 

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ええと全然主要テーマまでたどり着いてないですが(笑)

 長くなりそうなのでこの続きはまた後日!

ではでは。